経営

売上ではなく、経費削減にフォーカス:整体院・治療院・整骨院の収益向上戦略

はじめに

多くの治療院や整骨院経営者が直面する問題の一つに、「売上の伸び悩み」があります。特に個人経営や少人数のスタッフを抱える小規模施設では、新規顧客の獲得に多大な努力とコストがかかるため、売上を伸ばすことに一生懸命になりがちです。しかし、本記事では、売上向上よりも先に考慮すべき「経費削減」に焦点を当て、持続可能な収益改善策を探ります。

1. 固定費の削減がなぜ重要か

整骨院や整体院にとって、固定費は毎月変わらずに発生するコストです。これには家賃、光熱費、スタッフの給与などが含まれます。固定費は売上が上がらない月でも同じ金額が発生するため、収益性を大きく左右します。そのため、固定費を抑えることは、売上が伸び悩んでいる時でも利益を確保しやすくするための最も効果的な方法の一つです。

2. 経費削減の具体的な方法

a. 費用の見直し

店舗の家賃が高い場合は、交渉によって下げることや、よりコストパフォーマンスの良い場所への移転を検討します。また、使用していないスペースをサブリースすることで家賃収入を得ることも可能です。

b. 光熱費の節約

エネルギー効率の良い機器への更新や、電気の使用を抑える小さな習慣(例:不要な照明の消灯)を取り入れることで、光熱費を削減できます。

c. スタッフの最適化

スタッフのシフトを効率化することや、余剰での必要以上の人手を雇うコストを抑えます。また、売上があがり、溢れかえる状態を作ってから採用することも検討しましょう。

3. 新規顧客獲得とリピーター確保

新規顧客獲得に多額の広告費を使うのではなく、既存の顧客からの紹介を積極的に促すことで、低コストで顧客基盤を拡大します。優れたサービス提供により、顧客のリピート率を高めることが収益向上に直結します。紹介プログラムやリピーター向けの特別オファーを設けることも効果的です。

4. 長期的な視点での経営戦略

単にコストを削減するだけでなく、施設の質を維持しながら効率的に運営することが重要です。以下に、持続可能な経営戦略を構築するためのアプローチをいくつか紹介します。

5. 効率的なサービス提供

  • プロセスの最適化: 治療プロトコルや予約システムの見直しを通じて、サービス提供の効率を向上させます。これにより、一人あたりの顧客処理数を増やし、時間あたりの収益を最大化することが可能になります。
  • 技術の導入: 電子カルテやオンライン予約システムなど、最新のテクノロジーを導入して、管理作業の時間を短縮し、より多くの時間を患者の治療に充てることができます。

6. スタッフトレーニングとモチベーション

  • 教育と成長: スタッフが最新の治療技術や顧客サービスのスキルを学び続けるための継続的なトレーニングプログラムを提供します。これにより、治療の質が向上し、顧客満足度が高まります。
  • 報酬体系の見直し: スタッフのモチベーションを高め、優れたパフォーマンスを報酬することで、離職率を低下させ、経験豊富なスタッフを維持することが可能になります。

7. マーケティング戦略の見直し

  • ターゲットの絞り込み: 市場調査を通じて、最も反応が良い顧客層を特定し、その層に焦点を当てたマーケティング活動を展開します。
  • コンテンツマーケティング: 教育的なブログ投稿、動画を通じて、潜在顧客に対して価値ある情報を提供し、信頼と専門性を構築します。
  • 地域社会との連携: 地域のイベントや慈善活動に積極的に参加することで、ブランドの認知度を高め、コミュニティ内での良好な関係を築きます。

8. 継続的なフィードバックと評価

  • 顧客フィードバックの収集: 定期的に顧客からのフィードバックを収集し、サービスの質を改善するための具体的なアクションを講じます。
  • パフォーマンスの追跡: すべての経営活動の効果を定期的に評価し、必要に応じて戦略を調整します。

まとめ

売上の増加だけが経営改善の唯一の方法ではありません。特に、リソースが限られている整体院や治療院や整骨院では、コスト管理と効率的な運営がキーとなります。このようなアプローチを通じて、持続可能な経営を実現し、長期的な成功を築くことができます。売上を追求する前に、まずは経費の削減とプロセスの最適化から始めてみてはいかがでしょうか。コストを抑えることで得られる利益の増加は、経営の安定化に大きく貢献し、新たな投資やサービス拡充の機会を生み出します。

経営の安定と成長のために

これらの戦略を実施することで、整骨院や整体院は単にコストを削減するだけでなく、より効果的に資源を活用し、顧客満足度を向上させることが可能です。これは、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客のリテンション(顧客維持)にも直接的に寄与し、最終的には売上の向上につながります。

経営者としての責任は、日々の業務に追われる中でも、ビジネスを戦略的に見る目を養うことです。経済状況の変動や市場の競争が激しい中、賢明な経営判断として「経費削減」に目を向け、持続可能な運営を心掛けることが成功への鍵となります。

最後に、改善策を実行に移す際は、スタッフとのコミュニケーションを密に行い、全員が目標に向かって一丸となれるよう努めることが重要です。経営者としての洞察力とリーダーシップを発揮し、治療院を次のレベルへと導いてください。

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長島康之

長島康之

健康であれば、何でもできる。

長島康之 (ナガシマヤスユキ):柔道整復師(国家資格)。 株式会社nicori代表取締役(nicoriGYMとnicori整骨院を運営)。 現在はプロ野球球団の監督として采配をふるう、元プロ野球選手工藤公康氏の元トレーナー。

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