事例紹介

【ケーススタディ】高校野球選手の腰痛|動作評価と施術アプローチ

「高校野球選手に多い腰の痛み、どうアプローチすべきか?」

腰椎分離症は、成長期のスポーツ選手によく見られるケガのひとつ。特に、バッティングや投球などの繰り返し動作が続くと、腰に負担がかかりやすくなります。「腰が痛い」となると、つい腰そのものを治療しようと考えがちですが、実は体全体の使い方が大きく関係していることが多いんです。

この記事では、実際の評価をもとに施術の流れを整理し、どうすれば痛みを改善できるのかを分かりやすく解説していきます。「どこに原因があるのか?」「どこを調整すれば楽になるのか?」を明確にし、患者さん自身が動きを変えられるようにサポートすることがポイントです。

腰痛に悩むアスリートをサポートするためのヒントが詰まったケーススタディなので、ぜひ参考にしてみてください!

1. スタッフからの質問(患者の状況)

Q. 18歳の高校野球部の患者が、1か月前からの腰痛を訴えています。バッティング時に痛みが増し、最近では10分座るだけで悪化する状態です。MRIで腰椎分離症と診断されていますが、施術と運動指導のポイントを教えてください。


2. スタッフの見解

「腰の痛みが続いているため、筋緊張を取ることを優先しました。電気療法とストレッチ指導を行いましたが、大きな改善は見られませんでした。何か別のアプローチが必要なのか、詳しく知りたいです。」


3. スタッフカウンセリング(問診・検査結果)

動作時症状と可動域制限

  • 腰仙部に痛みあり
  • 体幹前屈:ハムストリングスの硬さと腰仙部の痛み(+)
  • 体幹後屈:腰仙部の痛み(+)
  • 胸椎および股関節の回旋:左右ともに可動域が低下し、痛みあり(+)

その他の検査結果

  • SLRテスト:腰仙部の痛み(+)、ハムストリングスのタイトネス
  • FNSテスト:腰仙部の痛み(+)、大腿四頭筋のタイトネス
  • Kempテスト:第2・3腰椎間に疼痛(+)
  • 腹腔内圧が低下しており、大腿四頭筋で代償動作が見られる

4. 採用評価(田中院長の見解)

この患者の腰痛の根本原因は、以下の3点が大きく影響していると考えられる。

① 体幹の安定性低下(腹腔内圧の低下)

→ 腹圧が低下し、腰椎が過剰に動いてしまう

② 胸椎・股関節の可動域制限

→ 胸郭と股関節の動きが制限され、腰部が代償動作を起こしている

③ 下肢の機能不全(大腿四頭筋の過剰使用)

→ 股関節の安定性が低下し、大腿四頭筋が過剰に働き、腰部へ負担が集中

▶︎ 施術では、「腰を直接治療する」のではなく、「動作の改善」をメインにアプローチする必要がある。


5. 施術内容(アプローチと手技)

① 腹圧の向上(5分) → 体幹の安定化

呼吸誘導(腹式呼吸の再学習)

  • 仰向けで膝を立て、腹圧を意識しながら呼吸 を促す
  • 息を吐くたびに、肋骨を締めて体幹の固定力を高める

🔹 何がどうなったらOK?
☑️ 吸うと下腹部が膨らみ、吐くと肋骨が内旋する
☑️ 肩がすくまずに、リラックスして呼吸できる
☑️ 施術後に、体幹の安定感が増し、腰への負担が軽減する

② 胸郭&股関節の可動域改善(7分) → モビライゼーション

胸椎モビライゼーション(胸郭の回旋誘導)
股関節モビライゼーション(股関節の内外旋ストレッチ)

🔹 何がどうなったらOK?
☑️ 胸椎回旋の可動域が増え、動きがスムーズになる
☑️ 股関節の詰まりが軽減し、動きに余裕が出る
☑️ 体幹回旋時に、腰ではなく胸でしっかり動ける

③ 足底感覚の再教育(5分) → 片足バランス・接地感の回復

足底タッピングで接地感覚を再教育
片足立ちで、かかとを意識した重心コントロールを指導

🔹 何がどうなったらOK?
☑️ かかと〜母指球まで均等に接地できる
☑️ 片足立ちでのふらつきが減り、重心が安定する
☑️ バッティングの軸足の安定感が向上する

施術内容✅ できている状態(患者の感覚)📍 効いている状態(動作の変化)
腹圧の向上吸うと下腹部が膨らむ、肩がすくまない体幹の安定→腰への負担軽減
胸郭&股関節の可動性改善胸の回旋がスムーズ 呼吸が深くなるバッティング時の体幹回旋がスムーズ
足底感覚の再教育かかと〜母指球の接地が安定軸足の安定→バランス改善

6. お客様への説明(患者教育)

「腰の痛みの原因は、腰そのものではなく、体の使い方のバランスの乱れ にあります。特に、胸郭や股関節の動きが悪くなると、腰が無理に動かされてしまい、結果的に痛みが出ます。」

「施術では、腰の負担を減らすために、腹圧の安定・胸郭と股関節の動きの改善・足底感覚の再教育 を行います。」


7. 通院計画とセルフケアの指導

📅 2週間プラン(週2回の施術+ホームケア)

  • 1週目: 腹圧の安定と可動域の改善
  • 2週目: 軸足の安定とバッティング動作の再教育

「このまま放っておくと、腰の痛みが慢性化し、競技パフォーマンスにも影響が出る可能性があります。今のうちにしっかり整えて、スムーズに動ける体を作りましょう!」


これで、新人スタッフも「施術の目的と効果の判断基準」が明確になり、再現性の高い施術ができるはず!
現場でのフィードバックをもとに、さらにブラッシュアップしていこう💪🔥

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