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【保存版】治療家が“運動指導”をする本当の理由

〜患者を“依存”から“自立”へ導く、これからの治療のカタチ〜

「治せる技術」だけでは足りない時代へ

かつて私がこの業界に入った頃は、
「まずは10年修行しろ」「技術を磨け」
それが正義でした。実際、私もそう教えられてきましたし、
施術の腕さえ極めれば、患者さんは治ると信じて疑いませんでした。

でも、現実は違いました。
どれだけ技術があっても――
患者さんの“本当の意味での改善”にはつながらなかったのです。


「依存される治療家」から抜け出せない葛藤

一時的に痛みが取れても、何度も同じ不調を繰り返す。
次の予約でまた施術すればいい。でもそれって…本当に“治療”なんだろうか?

次第に私は気づきます。
それは「患者さんが先生に依存している状態」だということに。

言い換えれば、患者さんの“自立”が生まれていない
「先生に治してもらう」ことが当たり前になっている限り、
本人が“自分の体を変えよう”という意識にはならないのです。


■ 出会いがすべてを変えた

そんな私に転機が訪れたのは20代後半。
プロ野球選手・工藤公康さんとの出会いと、
アスレティックトレーナー・鮫島先生との学びが大きなターニングポイントでした。

そこで学んだのは――

「治療」だけでは足りない。
「治療 → 運動 → 動作改善」まで一貫してやることが、“本当の改善”につながる。

ということ。

それから私の治療観は大きく変わりました。
そして、現在nicoriでは「運動指導のできる治療家」を育成し、
再現性のある仕組みとして整えています。


治療家が“運動指導”をすべき4つの理由


理由①:柔道整復術の原理原則に立ち返る

柔道整復術の基本は、以下の4ステップです:

【整復 → 固定 → 後療法 → 運動療法】

この中で、最後の「運動療法」が抜け落ちている治療院があまりにも多いのです。
整復・固定で痛みが落ち着いても、その後の運動療法を怠れば再発リスクは高まります。

特に現代人は、動かない・座りっぱなし・ストレスフル。
“動きの質”を再教育することが、治療家に求められる新しい役割なのです。


理由②:患部だけではなく“全体”を見るマクロの視点

ほとんどの症状は、実は“患部そのもの”ではなく
身体全体の連動性のエラー=代償動作から起きています。

たとえば、

  • 肩の痛みの原因が実は骨盤の歪みによる体幹不安定だったり、
  • 腰痛の原因が足部のアーチ崩れによる立位姿勢の乱れだったり…

患部ばかりを追いかけていては、いつまで経っても根本改善には至りません。


🔍【図解】マクロとミクロの違い

ミクロ視点(局所)マクロ視点(全体)
解剖学・生理学・生化学動作学・神経学・栄養学
急性期・炎症対応慢性痛・繰り返す不調の根本原因
「患部の痛み」を取る「代償動作」や姿勢を整える

Q:患者さんが運動を嫌がる場合はどうすればいい?

👉 A:未来像を“共有”することが大切です。

ただ「この運動やってください」と言っても、続けません。
大切なのは、患者さんが「なぜそれをやるのか」「やったらどうなれるのか」を
“自分ごと”としてイメージできるように伝えることです。

nicoriでは、「フューチャーペーシング(未来の姿を一緒に描く)」という手法を取り入れ、
患者さんが通う意味・動く意味をしっかり理解できるようにしています。

理由③:飛び級しない!“整える→動かす→鍛える”の流れが重要

これはnicoriでも繰り返しお伝えしていることですが、
「整える前に鍛える」はNGです。

たとえば、骨盤が歪んだままスクワットをすれば、代償動作が起きて痛みが悪化します。
反り腰のまま腹筋運動をしても、体幹がうまく使えず腰痛につながります。

大切なのは順序です。

🔁 コンディショニング(整える)

→ 正しい動作の獲得(動かす)
→ トレーニング(鍛える)
→ スキルアップ(使いこなす)

この流れを守ることで、
再発を防ぎ、患者さん自身が**「動ける体」**を手に入れることができます。

nicoriでは動的ストレッチや感覚入力、呼吸からのアプローチも組み合わせ、
本質的な動きの再教育を行っています。


理由④:「医療×運動」だからできるメソッドがある

ここが他のパーソナルジムやトレーナーとの最大の違いです。

nicoriでは、以下のような医療的視点に基づいた運動メソッドを活用しています:


✅ PRI(Postural Restoration Institute)

人体の左右非対称性を理解し、
“正しい呼吸”を軸に身体のバランスを整える。
横隔膜・肋骨・骨盤・呼吸・姿勢を連動的に調整します。


✅ DNS(Dynamic Neuromuscular Stabilization)

赤ちゃんの発育過程をベースに、
神経系の安定性と身体の連動性を再構築します。


✅ ファンクショナルトレーニング理論

  • 重力を利用する
  • モビリティとスタビリティの役割分担
  • 運動連鎖(キネティックチェーン)
  • 3D(三面)での動作評価
  • 力の吸収と発揮(ローディング&アンローディング)

これらを使いこなすことで、**“筋トレ”ではなく“治療的トレーニング”**が可能になります。


Q:それって患者さんにとって何がいいの?

と、よく聞かれます。

答えはシンプルです。

✅ 再発しづらい体になる
✅ 姿勢・歩き方・呼吸が変わる
✅ 「整えてから動かす」ことで痛みが出にくくなる
✅ 年齢に関係なく“動ける体”を作れる
✅ 自分で整える意識が身につく

つまり、**施術に頼らない「自立型の健康」**を実現できるのです。


だから私たちは、運動を指導する。

治療だけで終わらせない。
運動だけでもない。
「整えてから動かす」
この順序こそが、治療家として患者さんに提供すべき新しい価値です。

そして、それが私たちnicoriが全国で広めようとしている“治療家×運動指導”という新しいモデルです。


▶️ 今後の展望:全国の仲間とつくる「治療家の新しい働き方」

現在、nicoriではこの考え方を全国に広げるべく、
運動指導ができる治療家の育成FC展開仕組みづくりを進めています。

  • 治療家が一人で抱え込まず、チームで成果を出す
  • スタッフ教育ができ、任せられる人材が育つ
  • 患者さんと共に未来を描き、通い続けてもらえる
  • セールスをせずとも提案が通るカウンセリング

そんな未来を本気で目指しています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

長島康之

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長島康之

長島康之

健康であれば、何でもできる。

長島康之 (ナガシマヤスユキ):柔道整復師(国家資格)。 株式会社nicori代表取締役(nicoriGYMとnicori整骨院を運営)。 現在はプロ野球球団の監督として采配をふるう、元プロ野球選手工藤公康氏の元トレーナー。

  1. 脊柱管狭窄症の原因と改善方法

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