問診・カウンセリング

カウンセリングとコーチング:効果的な四つの質問枠組みの活用

カウンセリングとコーチングは、整骨院や整体院での患者さん対応において非常に重要な役割を果たします。今回は、効果的なカウンセリングを行うための「四つの質問枠組み」と、コーチングとティーチングの違いについて深堀りしていきます。

コーチングとティーチングの違い

コーチングとは、コミュニケーションを通じて相手の目標や課題の解決をサポートし、その過程で相手の自己発見を促すプロセスです。これに対し、ティーチングは知識の伝達が主で、教える側が情報を提供し、学ぶ側はそれを受け取る形式です。ティーチングは必要な場面で非常に有効ですが、依存関係を生じさせることがあります。これに対して、コーチングは自立と自発的な行動を促すため、特に患者の持続的な改善を目指す医療の現場で重要視されています。

四つの質問枠組み

カウンセリングにおいては、以下の四つの質問が効果的な枠組みとして用いられます。

  1. 現状把握の質問
    • 患者さんが現在直面している状況を明確にする質問です。例えば、「今日はどうされましたか?」などです。
  2. 顕在的な質問
    • 患者さん自身が認識している問題に焦点を当てる質問です。これにより、患者さんが自覚している悩みや具体的な症状について詳しく探ります。「今、どのようなことで悩んでいますか?」や「具体的な症状は何ですか?」などがあります。
  3. 潜在的ニーズの質問
    • 患者さんが自覚していない悩みやニーズを引き出す質問です。例えば、「この症状を放置した場合、どうなると思いますか?」や「理想的な健康状態はどのようなものですか?」などがあります。
  4. 解決策に繋がる質問
    • 治療やトレーニングの提案を通じて、患者さんに具体的な改善イメージを持たせる質問です。これにより、治療の効果を具体的にイメージさせ、継続的な関与を促します。

コーチングとカウンセリングの統合

効果的なカウンセリングでは、これらの質問を適切に組み合わせることが重要です。初診での潜在的ニーズの探求は難しいことが多いため、初診では現状と顕在的な問題に焦点を当て、徐々に信頼関係を築きながら深いニーズに迫ることをオススメします。これにより、患者さんとのコミュニケーションが強化され、より個別化された治療計画の提案が可能になります。

結論

カウンセリングとコーチングの適切な統合は、患者の自立支援と持続的な健康改善に繋がります。四つの質問枠組みを活用し、患者一人ひとりのニーズに寄り添うことで、真の意味での治療成功を目指しましょう。これらのアプローチは、患者の満足度を高めるだけでなく、施設としての信頼性と評価を向上させる効果も期待できます。

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長島康之

長島康之

健康であれば、何でもできる。

長島康之 (ナガシマヤスユキ):柔道整復師(国家資格)。 株式会社nicori代表取締役(nicoriGYMとnicori整骨院を運営)。 現在はプロ野球球団の監督として采配をふるう、元プロ野球選手工藤公康氏の元トレーナー。

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