理論

脊柱の構造と機能: 代償動作の起因とケーススタディ

脊柱は私たちの身体を支える中心的な存在であり、日常の動作や活動において、数多くの力やストレスがかかる部位です。その脊柱が正常に機能しないとき、身体は代償動作を使い、他の部位でこの不具合をカバーしようとします。以下は脊柱の構造と機能の観点から、代償動作の具体的な例とその起因を紹介します。

ケース1: 過去の怪我による影響
過去に腰椎を骨折したAさん。骨折は完治したものの、腰の筋肉には慢性的な緊張が残り、背中の筋肉を使って立ち上がる動作をしていることが確認されました。これは、痛みを避けるための代償動作の一例です。

ケース2: 精神的ストレスによる影響
長時間のデスクワークと家庭のストレスで、Bさんの首や肩に緊張が。これにより、脊柱の正常なカーブが失われ、背筋を使いすぎる代償動作が生じていました。

ケース3: 骨や関節の構造的変化
Cさんは先天的に背骨がS字に湾曲している状態、俗に言う脊柱側彎症です。これにより、一方の背筋が常に収縮しているため、反対側の筋肉が過度に使われる代償動作が見られます。


ケース4: 筋力不均衡や腹圧の低下
定期的な運動をせず、日常的に前傾姿勢で過ごすDさん。腹筋の弱さと腹圧の低下が、背筋の過度な使用や背骨の前傾を招いています。これは、腹部のサポート機能が不足して背筋がその役割を代償するためです。

これらのケーススタディは、脊柱の構造や機能に影響を与える様々な外部要因や生活習慣が、どのように代償動作として現れるのかを示しています。これを理解することで、効果的な治療やリハビリテーションの方針を立てることができます。

2.フレアや固定点の改善

腹圧は身体の安定性や動きの効率に大きく関与します。しかし、炎症や代償筋の影響で腹圧が適切に維持されない場合、身体は不安定性を感じることとなります。このとき呼吸の調整やフロアトレーニング、EMSのテクニックが有効とされます。

3.関節のセントレーションの強化

股関節や肩関節といった球関節の正確な位置感覚と動きは、全体の動きの質を大きく左右します。後面の筋肉の適切な伸長と活性化が必要です。適切な関節の位置感覚と動きの調整を通じて、動作時の安定性や効率を向上させることが目指されます。

4.代償により機能不全だった部位の活性化

代償により抑制されていた筋肉や関節の動きを正常化することで、全身の動きの連鎖をスムーズにすることが期待される。この過程で、患者の既往歴や特定の機能不全の原因を明確にすることで、効果的なリハビリテーション戦略を組むことが重要です。

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長島康之

長島康之

健康であれば、何でもできる。

長島康之 (ナガシマヤスユキ):柔道整復師(国家資格)。 株式会社nicori代表取締役(nicoriGYMとnicori整骨院を運営)。 現在はプロ野球球団の監督として采配をふるう、元プロ野球選手工藤公康氏の元トレーナー。

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