理論

NicoriLABが考える、治療と運動をつなぐ架け橋

治療家とトレーナー、それぞれの専門性が交わる瞬間にこそ、新しい可能性が生まれます。NicoriLABでは、治療と運動をシームレスにつなぐために、具体的な方法と哲学を追求しています。ここでは、その重要なポイントを掘り下げます。


1. 「整える」から「鍛える」へのシームレスな移行

治療の目的は痛みを取るだけではなく、「整えた体」を運動でさらに活用することです。これにより、患者が自らの身体の可能性を引き出せるようになります。

  • 具体例: 骨盤矯正を施した後、そのポジションを維持するための体幹トレーニングを提案。スクワットやプランクなどの運動で姿勢を安定化させる。
  • 実践方法: 治療後、患者にその日の体の変化を感じさせながら、運動を組み合わせて定着させます。

2. 痛みの先を見据える「動ける体づくり」

治療と運動の両方において重要なのは、「痛みがなくなった後に何ができるか」です。NicoriLABでは、痛みを消すだけでなく、その後のパフォーマンス向上を目指します。

  • 具体例: 慢性腰痛で治療に来た患者に対し、運動指導を取り入れた結果、デスクワークでの腰痛が減少。さらには趣味のゴルフパフォーマンスが向上。
  • 方法: 呼吸や姿勢の改善を運動の基礎に組み込むことで、「痛みのない動き」を指導。

3. バイオ・サイコ・ソーシャルモデルを取り入れる

痛みは身体的な問題だけでなく、心理的・社会的要因も絡んでいます。この多面的な視点が治療と運動を効果的に結びつけるカギとなります。

  • : 慢性腰痛の患者が「痛みが治らない」と感じる背景には、職場のストレスや生活習慣が影響していることがあります。この場合、治療と同時にストレス管理や簡単なストレッチ習慣を提案。
  • ポイント: 身体面だけでなく、患者の心理状態や生活環境を理解し、それに合わせた運動プログラムを作成。

4. 治療家とトレーナーの専門性を活かした連携

柔道整復師とトレーナーが協力することで、患者への包括的なケアが可能になります。両者の役割を明確にしつつ、知識を共有することが重要です。

  • : 柔道整復師が膝の治療を行い、トレーナーがリハビリ後の筋力強化プログラムを指導。
  • 実践方法: 例えば、リハビリ後の運動メニューをトレーナーと共同で作成し、患者がスムーズに移行できるようサポート。

5. 患者教育で「自分で治す力」を引き出す

NicoriLABでは、患者が自ら体のケアをできるようになることを目指しています。「なぜその治療が必要なのか」「なぜその運動が有効なのか」を患者に伝えることで、主体性を育てます。

  • 具体例: 姿勢改善の重要性を説明し、デスクワーク中の座り方の工夫を指導。その結果、慢性的な肩こりが改善し、患者自身がケアの意識を持つように。
  • 方法: 分かりやすい図解や簡単な言葉を用いて、自分の体を理解させる。

6. データに基づく治療と運動の融合

数値化されたデータを用いることで、治療と運動の成果を可視化し、患者のモチベーションを高めます。

  • : 治療前後での姿勢写真の比較や、運動前後での柔軟性測定を患者に見せることで、改善を実感してもらう。
  • 実践方法: 動作分析ツールや体組成計を活用し、改善プロセスを明確化。

7. フェーズごとの介入計画

治療と運動の連携には、フェーズごとの明確な計画が必要です。

  • フェーズ1(治療): 痛みの軽減と可動域の改善を優先。
  • フェーズ2(運動指導): 安全な範囲で筋力や柔軟性を高める。
  • フェーズ3(パフォーマンス向上): 患者の生活やスポーツ活動に応じた運動を提案。

おわりに

NicoriLABが目指すのは、治療と運動が一体となった新しい健康支援の形です。痛みを取るだけでなく、その先の動きやすさ、生活の質の向上を見据えたアプローチを実現します。若手柔道整復師の皆さんには、この融合の重要性を理解し、自分自身の治療哲学を進化させてほしいと願っています。

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長島康之

長島康之

健康であれば、何でもできる。

長島康之 (ナガシマヤスユキ):柔道整復師(国家資格)。 株式会社nicori代表取締役(nicoriGYMとnicori整骨院を運営)。 現在はプロ野球球団の監督として采配をふるう、元プロ野球選手工藤公康氏の元トレーナー。

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