内臓脂肪型肥満は見た目の問題だけでなく、生活習慣病や代謝不良を引き起こす要因です。治療家として、「整える → 動かす → 習慣化させる」を軸にしたアプローチを行うことで、患者の内臓脂肪減少と健康向上をサポートできます。以下では、具体的な施術方法と事例を交えて解説します。
1. アプローチの基本構造
整える(施術による身体の基盤作り)
骨盤調整
骨盤の歪みや後傾は、腹腔内圧(IAP)の低下を招き、内臓が下垂して脂肪が蓄積しやすくなります。骨盤の角度を正常に戻すことで、腸腰筋や大殿筋の機能を回復させ、代謝を底上げします。
- 施術例:
- 腸腰筋リリースで筋緊張を解放。
- 骨盤の前傾角を理想的な10度付近に調整(初回は3度→施術後7度に改善)。
横隔膜の調整
横隔膜が硬直すると深い呼吸ができず、脂肪燃焼に必要な酸素供給が低下します。横隔膜リリースで呼吸機能を高めることが重要です。
- 施術例:
- 胸郭下部をリリースし、柔軟性を回復。
- 呼吸の深さを測定し、腹式呼吸の練習を指導(1分間6回を1日3セット)。
動かす(適切な運動指導で脂肪燃焼を促進)
エクササイズ指導
整えた体を使いこなすため、全身を使う運動を取り入れます。特に大殿筋や大腿四頭筋などの大きな筋肉を活性化することで、内臓脂肪燃焼を効率化。
- 例:
- ハーフスクワット: 10回×2セット(膝痛がある場合はフォーム調整や強度を軽減)。
- ヒップリフト: 10回×3セット(骨盤の安定と臀部強化)。
- プランク: 30秒×2セット(体幹の安定化)。
ウォーキング指導
歩行時に足裏の感覚(特に踵の接地)を意識させ、骨盤の自然な動きを誘導。内臓脂肪燃焼に必要な有酸素運動の基盤を作ります。
習慣化(生活改善で長期的な効果を持続)
栄養指導
食事内容の小さな改善が、内臓脂肪減少の鍵です。
- 例:
- タンパク質を1日体重×1.6~2.0gに増加(例: 80kgの人なら約130g/日)。
- 夜の糖質摂取を50gに抑える。
睡眠とストレス管理
睡眠不足は内臓脂肪を蓄積するホルモン(コルチゾール)の分泌を促します。副交感神経を優位にする生活習慣を提案。
- 例:
- 就寝前1時間はスマホを見ない。
- 寝室の環境を整え、深い睡眠を誘導。
2. 具体的な事例と深掘り考察
事例: 40代男性Aさん(内臓脂肪型肥満)
プロフィール
- 年齢: 43歳、身長172cm、体重85kg(BMI 28.7)。
- 数値: 腹囲100cm、内臓脂肪面積170cm²(基準値100cm²以下)。
- 生活背景: デスクワーク中心、週5日の飲酒、腰痛(VAS 5/10)。趣味は月1回のゴルフ。
施術とプログラム
- 骨盤調整:
- 初回時、骨盤の前傾角3度(後傾傾向)。腸腰筋をストレッチし、骨盤の中間位(前傾角7度)に改善。
- 横隔膜リリース:
- 胸郭の硬直を緩め、腹式呼吸の練習を指導(1日3分×2セット)。
- エクササイズ:
- 初回はヒップリフト(10回×3セット)。膝痛があったためスクワットは2週目以降に修正。
- 生活改善:
- 朝食にゆで卵を追加。夜の白米を100g→50gに変更。飲酒を週5回→週3回に減らす目標設定。
経過と課題
- 2週間後(3回目施術時)
- 結果: 腰痛VAS 5→2に軽減。腹囲98cm(−2cm)。
- 課題: スクワット時に膝痛が発生(フォーム修正後に改善)。
- 1か月後(8回目施術時)
- 結果: 腹囲96cm(−4cm)、体重82kg(−3kg)。横隔膜の柔軟性が向上し、呼吸が深くなる。
- 患者の声: 「姿勢が楽になり、ゴルフのスイングもスムーズに。」
- 考察: 呼吸と運動が習慣化し、基礎代謝が向上。
- 3か月後(最終評価時)
- 結果: 腹囲92cm(−8cm)、体重80kg(−5kg)。内臓脂肪面積170cm²→150cm²。
- 課題: 甘い物の間食が増える傾向。
- 対応: ナッツや高カカオチョコへの置き換えを提案。
3. まとめ: 成功と課題から学ぶアプローチ
成功要因
- 骨盤と横隔膜を整え、脂肪燃焼の基盤を作ったこと。
- 患者のライフスタイルに即した運動と食事指導で習慣化を促進。
課題と対応
- 患者の性格や生活背景に応じた柔軟な対応が必要。
→ 無理な提案をせず、小さな成功体験を積み重ねる。
ニコリ整骨院では、患者ごとに施術と生活指導を最適化し、「痩せやすい身体作り」を目指します。治療家として、身体の根本を整えつつ、運動・生活習慣をサポートする総合的なアプローチを実践してください!
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